2026/09/01 12:00
Answer to Remember、SMTKといった自身のプロジェクトも展開しながら、MILLENNIUM PARADE、くるり、椎名林檎、星野源など数々のアーティストのバンドメンバーとしても活躍する石若駿。国内外問わず各地を飛び回り、"日本一忙しいドラマー"ともいわれる音楽家が、徒然なるままに連載中。
今回は、誌面に載せきれなかった全文と写真をWeb版で公開。前回の『ヨーロッパの旅 ラインガウ音楽祭編。』も併せてチェックを。
~ヨーロッパの旅 Banksia Trio Europe Tour前編。~
7/5
同級生、指揮科の石坂幸治と再会し、デュッセルドルフから約40分電車に乗り、ケルンに到着しました。大聖堂がデカすぎて、怖いくらい!!! ものすごい迫力です。駅前は渋谷のスクランブル交差点より人が集まってる印象です。そこにいる人々みんな派手なお洋服を着ています。ドイツ最大のLGBTQのパレードでした。ものすごい盛り上がってます! バスキングなブラスバンドも演奏しています。ひとまずホテルに、担いでる荷物を置きにいって身軽になりたいです。人が多すぎてトラムになかなか乗れない……やっと乗れても、間違ってしまって行き先になかなか辿り着かない! やっと最寄りの駅に着いて、チェックインして、散歩に出かけます。パレード2日目、歩行者天国の街中。大量すぎる酒瓶やキラキラした装飾、クラッカーのあとが道路に大散乱しています。衝撃の数。どのキオスクのBGMも爆音。街角では持ち込みの巨大スピーカーで即席クラブ状態パーティ! めちゃ楽しいです。飲んでいいエリアで歩きながら飲んでいたら、ミツバチみたいなのが寄ってきて、頭にくっついたところを手で掴んでしまって見事に中指の腹を刺されました。人生はじめてでした! 激痛走るけど、これも思い出。Banksia Trioのみなさん(須川崇志、林正樹と八島敦子さん)が到着するまでひたすら散歩です。突然巨大な除雪車のような清掃ブルドーザーが街を掃除し始めました。ものすごいホコリが立ちこめます! でもあっというまにあの散らかりはクリーンな状態です。すごい……22時過ぎにみなさん到着しまして、ケルンで会えた喜びディナーで、外の席が心地のいい道沿いのレストランへ。パスタとピザと白ワインでその日を終えました。
7/6
起床して朝食を食べ、散歩に出かけます。Hiroshima-Nagasaki-Parkという広い公園に辿り着きました。大きな池があって、みんなのどかに過ごしています。あと1か月後は広島原爆の日だなと思ってみんなの様子を見ていました。ランチは林さんと八島さんとシュニッツェルを食べに。私はマッシュルームのクリームソースをかけて食べるタイプのものにしました。美味しかったー! 帰りにレコード屋に寄って30分くらい見ていましたが結局買わず……今夜演奏するところは、先ほどの公園のすぐ目の前にあるケルン日本文化会館です。サウンドチェックで須川さんがさっき出来上がったという新曲、"Köln"と書いた譜面をコピーして持ってきました。ランチに現れなかったと思えば、曲を書いていたそうです。流石すぎます。好きです。新曲を色々とトライして、音も心地よく決まり、2時間半くらい没頭して音を鳴らしていたと思います。今回のツアーは約80分のワンショーで走り切ります。今日は須川さんのメンターでもある菊地雅章さんの命日でもあり、途中、彼の"Little Abi"という曲を追悼の意を込めて演奏しました。お客様の中には、ドルトムントフィルハーモニー管弦楽団のホルン奏者、岡本祝子さんや、ドイツ公共放送局のWDR Big Bandのベーシストに昨年就任した、サム・アニングもいました。サムとは、2018年にメルボルンのThe JazzLabでの共演が初で、その後も日本でもハングなどして、コロナ禍後では久々の再会でした。嬉! 演奏後は、ケルン日本文化会館のみなさんともたくさんお話しできたり、後輩ドラマーと飲んだり、メンバーとも近くの公園のバーで打ち上げしたり楽しい日でした。
7/7
朝8:30にケルンの大聖堂へ。Banksiaのフォトセッションをして、9時台の電車で、アムステルダムへ向かい、正午頃に着きました。お天気のご機嫌がとってもいいです。ホテルに向かう道中、大きくBIMHUISと書いた建物が見えます。YouTubeでよくライブ映像を観ていた、あの場所です。2日後ここで演奏できます。今日は、ロンドンのサックス奏者であり、コンダクター、作曲家のフィル・メドウズとBanksiaの未来のコラボに向けたクリエーションの日です。すごく素敵なリハ会場に着きました。線路の高架下で、茶色の石造りの半分ドーム型のような場所です。ヴィンテージのMAPEXのジャズキットや、アップライトピアノがあります。オランダのミュージシャンたちがここをシェアして連日リハーサルをしているようです。リハが始まり、フリーインプロヴィゼーションや、スタンダード、Banksiaの曲とフィルの曲をやって親交を深めます。とても充実感のあるリハでした。このコラボはいつ実現するか具体的ではないですが、近々何か大きなことになりそうな雰囲気があります。リハ後はアムステルダムの街を散歩して、夜はインドネシア料理を食べて。帰りは気づけば22時過ぎでした。
7/8
本日はオフです。
みんなでゴッホミュージアムに移動します。チケットを取ろうとしたが、もうソールドアウト! でもよく見たら最後の回のチケットが売っていて、オンラインで早い者勝ちの戦いをし、無事全員のチケットを得ました。その時間までランチを食べて、ゆっくり観覧することができました。街を散歩して、カフェに入り外のテラス席で乾杯して、またまた散歩してお土産買ったりして、お腹空いて、辛いものを欲して、四川料理入って、たらふく食べて……ずっと食べた日でした。
7/9
朝起きて、アムステルダムの現代美術館へ行ってきました。工藤哲巳さんのものや、ベルリンのジョン・ボックのものなど、すごく刺激的な作品がたくさんありました。それから林さんと合流して、いよいよBIMHUISへ向かいます。楽屋まで壁紙一面にジャズミュージシャンたちのかっこいい写真がずらり。なんて素敵な空間なのでしょう。オーダーしていた、ソナーのヴィンテージのジャズキットがあります。前回使ったドラマーのおかげで既にチューニングが気持ちいいです。円形に広がるような客席と広いステージ、ステージ背中の窓からの景色も最高です。ほんとにかっこいい建物です。音響もすごく自然でいい響きです。リハ後はオランダを代表するレジェンダリーサックス奏者、ベンジャミン・ハーマンとBanksiaの面々と食事です。彼とは個人的に約2年ぶりの再会です。この日ベンジャミンはコンサートの前説を担当してくれます。近況を報告し合い、楽しい時間でした。いよいよコンサートです。楽屋にあのミシャ・メンゲルベルクのデスクが置いてあり、須川さんが急遽、ミシャの曲を取り上げようと譜面を用意し始めました。「Who's Bridge」という曲を演奏してオーディエンスもこの曲をよく知っているのか大変盛り上がりました。あといつものBanksiaのゴリゴリのレパートリーでお届けいたしました。終演後には、会場のバーでみんなと乾杯して、充実のBIMHUIS公演を心に刻みました。
7/10
早起きして8時の便で、アムステルダムからパリへ向かいます。席が満席に近く、グランクラスのような高級車両にみんなで乗ります。朝食が付いています。すごく晴れた日で、リッチな座席で朝食は凄い気分です。ジェイ・Zに激似の方が少し先の席に座っており、一同一瞬盛り上がりを見せるものの、ジェイ・Zのウェブを見ると全然違う国でライブをしているのでした。11:30過ぎにパリに到着です。地下鉄にのってホテルへ。パリのローカルなホテルの部屋は面白い形をしている噂は本当でした。とっても三角なナイスなお部屋でした。チェックイン後は、ホテルマンおすすめのフレンチレストランへ。ステーキ食べました。本当に美味しかった……それからすぐに今日演奏するパリ日本文化会館へ。サウンドチェックを終え、そのままエッフェル塔に寄ってホテルに戻ります。エッフェル塔とBanksia Trioでフォトセッションをして、いよいよ本番です。約80分のコンサートを終え、レセプションへ。ヴィースバーデンで共に過ごした、角野隼人くんも観に来てくれていてとても嬉しかった。今日パリに着いたとのこと。忙しいのに本当に来てくれるなんて、なんてナイスガイなんだ! めちゃめちゃ嬉しかったです。そしてなんと、僕の藝大附属高校時代の一つ上の作曲家、青柿将大さんことガッキーがサプライズで来てくれていました。彼はパリにもう10年くらい住んでいて、こちらでも刺激的な現代音楽の作品をたくさん世に放っています。昔話から近況報告までたくさん話せてすごく嬉しかった。あっという間の乗り打ちパリ公演でした! 明日からは三日間オフです。またオランダ戻ってロッテルダムに行って【ノース・シー・ジャズ・フェスティバル】へ!
つづく。
◎リリース情報
アルバム『SONGBOOKVII』
石若駿 、角銅真実
2026/8/12 RELEASE
アルバム『Mabui』
石若駿トリオ+1
2026/9/2 RELEASE
◎公演情報
【石若 駿トリオ ホールツアー2026+27
feat.高橋佑成、Marty Holoubek Guest 馬場智章】
2026年9月6日(日)群馬・メガネのイタガキ文化ホール伊勢崎(伊勢崎市文化会館)
※この記事は、2026年9月1日発行のフリーペーパー『bbl MAGAZINE vol.222 10月号』内の特集を転載しております。記事はHH cross LIBRARYからもご覧いただけます。
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